名古屋鉄道(名鉄)は2023年3月18日(土)にダイヤ改正を実施し、名古屋本線をはじめとする各線で終日の運転本数を削減するほか、運転区間の縮小やワンマン運転の拡大も行います。
コロナ前に需要戻らない前提
輸送体制の効率化を目的としており、朝ラッシュ時間帯を含むすべての時間帯において、利用状況に見合った輸送力へと適正化されます。名鉄は「新型コロナウイルス感染症をきっかけとした生活様式の変容に対応するため」と理由を説明しています。同社が2021年3月に公表した中期経営計画では、コロナ前の鉄道需要には完全に戻らないと想定しており、需要に応じてダイヤを効率化し、コスト削減を図っていくことが盛り込まれています。
平日朝時間帯のダイヤが見直されるのは、名古屋本線、知多新線、犬山線、広見線、各務原線および瀬戸線です。計24本が減便となり、17本の列車は運転区間が縮小します。また、名古屋本線では一部の特急列車が急行列車へと種別変更されます。
なお、現行ダイヤでは平日朝の一部の特急が新木曽川駅と笠松駅を「特別通過」していますが、この扱いを取り止め、すべての快速特急・特急列車が両駅に停車するようになります。
土休日も朝の一部列車に減便や区間縮小が発生します。また、新可児駅からの上り特急は3本すべての始発駅が新鵜沼駅へと切り替えられ、土休日の広見線内はすべて普通列車での運転となります。なお、平日ダイヤでは新可児駅始発の中部国際空港駅行「ミュースカイ」2本が設定されていますが、こちらはダイヤ改正後も残ります(ダイヤ改正前後の運転パターン比較など詳細は下の図表を参照)。
「犬山経由 岐阜行」消滅へ
昼間から夕夜間にかけても、利用状況に応じて発着駅の変更や運転本数の削減が実施されます。名古屋本線では、名鉄岐阜駅を発着する急行が名鉄一宮駅発着に改められ、名鉄一宮駅〜名鉄岐阜駅間の優等列車は1時間あたり6本から4本に減少します。また、土休日ダイヤのみ設定されている国府駅〜名鉄一宮駅間の急行は、運転区間を豊明駅〜須ケ口駅間に縮小した上で、種別は準急に変更となります。
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なお、平日ダイヤでも昼間に豊明駅〜須ケ口駅間運転の準急列車が設定されますが、こちらは名古屋市近郊での速達性・利便性向上のために増発される列車です。同様に輸送力が増強されるのは、中部国際空港駅を土休日の19時以降に発車する準急列車で、こちらは編成が4両から6両に増結されます。
知多半島南部の河和線・知多新線も運転体系が大きく変わります。昼間から夜間にかけての特急・急行はすべて河和駅発着となり、内海駅方面の優等列車が消滅します。また、太田川駅方面からの普通列車はすべて知多半田駅折り返しとなり、急行が知多半田駅〜河和駅間で普通に種別変更して運転するようになります。
知多新線は全列車が富貴駅〜内海間での折り返し運転となり、9時〜22時台はワンマン運転が実施されます。運転本数も現行の1時間あたり3本から、改正後は2本に削減されます。
そのほか、各務原線・犬山線の名鉄岐阜駅〜犬山駅間も今回のダイヤ改正から全列車ワンマン運転となり、終日にわたり名鉄岐阜駅〜犬山駅(一部は三柿野駅)間での折り返し運転に統一されます。名鉄名古屋駅方面からの「犬山駅経由・名鉄岐阜行」といった行先も改正以降は見られなくなります。
深夜時間帯も輸送力適正化の対象となり、おおむね21時以降の運転間隔が見直され、ほぼ全線にわたって列車の削減、運転区間縮小が実施されます。